Rimの家庭でできる「ゆる」モンテッソーリ子育て in Hawaii

ハワイでのワーママ子育て雑記。ハワイ生活、モンテッソーリ、発達心理学などのテーマも。

知ってるだけで子育てがしやすくなる - モンテッソーリの敏感期とは

今日はまたモンテッソーリの話題に戻ります。

モンテッソーリには敏感期という考え方があり、年齢によって分かれています。

英語ではSensitive Periodといいます。

敏感期によってどんな風に発達を導いていったらいいのかのガイドになるので、知っておくと子育てがしやすくなると思います。

 

 

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はじめに - 敏感期の考え方

マリア・モンテッソーリはAbsorbent Mind(吸収する心・精神)という著書の中で、人間は生まれてから6歳くらいまでの間に、他の年齢では類を見ないくらい沢山のことを吸収し、理解し、身につける。この年齢の子供の心は水をたちまち吸い上げるスポンジのようだ、と書きました。 

敏感期もこの著書の中に書いてあります。

 

敏感期とは、6歳までの特定の期間に対象となる物や概念への興味やこだわりが高まり、それによってその対象をより理解しやすく、技能をマスターしやすくなる時期のことです。

このあと見ていくとわかるように、敏感期はだいたい起こる年齢が決まっています。広いスパンで起こるものもあれば、短いスパンのものもあります。

年齢が決まってはいますが、必ずしも全員その時期だけにしか起こらないというわけではなく、もちろん個人差があります。

ただ、どのあたりでどの敏感期が起こるのかを知っておくと親にとっては心の準備になるし、それを習得しやすい環境作りをしたり、教具を与えたりできるわけです。

 

  

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上の敏感期のグラフを見てください。

敏感期は一つが終わって違うものが始まるわけではなく、常に複数のものが重なっています。

 

私の娘で考えてみると、もうすぐ1歳というところなので、 だいたい6つの敏感期であることがわかります。たくさんありますね。

この敏感期ですが、私が勉強で使った資料ではものによって年齢が多少前後していました。もしかしたら考え方やMaria Montessoriの書物の訳や解釈によってばらつきがあるのかもしれません。

 

敏感期は全部で11個あります。

今回はその中の自分の娘に近いものと代表的なものだけみていこうと思います。

 

 

自分の子供が敏感期を迎えたサイン

 自分の子供が敏感期を迎えているサインは、毎日一緒にいる親にとってはわかりやすいと思います。たとえば、一つの行動を繰り返す、何かにこだわりだす、逆に何かを嫌がりだす、などです。

私の娘を例にすると、運動の敏感期がずっと続いている状態ですが、常に新しい段階に挑戦しています。今はつかまり立ちと伝い歩きができる状態ですが、毎日数十回、私や物から手を離して一人で数秒立ってはニコニコ・キャーキャーしています。

きっと何にもつかまらずに立っている状態というのが楽しくて仕方がないんだと思います。

 

 

言語の敏感期 (Language)

 

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話し言葉の敏感期は胎児期(お腹にいるとき)から始まっているといわれています。1歳に近くなると、親の真似をしたりいろんな音を出してみたり、そしてそれがやがて発語へとつながっていきます。

6歳まで続く敏感期。言語をどんどん吸収していく時期です。

 

この時期に親ができることは、

  •  子供に意識して話しかけること
  •  ゆっくり話すこと
  •  絵本などの読み聞かせをすること
  •  子供が話すのを聞くこと

などです。           

 

私が10か月の娘に意識してやってるのは娘の関心が私にあるときに話しかける事です。他の物に集中している時は邪魔しないように私も静かに見守ります。

あとは喃語が出た時から、娘が話しているつもりでアウアウ言うのを「そうだねー。そうだったんだ」と聞いています。

あとは前の記事にも書いたように、赤ちゃん言葉をなるべく使わずにニャンニャン・わんわん→猫、犬、など本来の言葉で話しています。

 

 

秩序の敏感期(Order)

 

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 秩序の敏感期は6か月頃から始まると言われています。物の場所だったり、物事をする順番だったり、誰とするかだったり、やり方だったりをルールのように決め、そこから外れることを嫌がる時期です。

これは4歳頃まで続くため、2歳くらいでイヤイヤ期が来ると更にこだわりが増し、「こうじゃなきゃイヤ!」ということが増えて困っている親御さんの話をよく耳にしますね。

うちの娘はまだパパ見知りをするのですが、これも秩序の敏感期の一部じゃないのかと私は思っています。

寝かしつけやスキンケアなど、私じゃないとやらせてくれない。パパがやると号泣ということが続いています。

 

この秩序の敏感期は子供の成長にとってとても大事なもの。同じものを探して求めることによって自分の環境を整理して認識したり、覚えたり、予測したりするのです。

 

この時期に親ができることは、

  • 家の中をなるべく整理整頓して、物の配置を決めておく(いつも同じところに同じものがあるようにする)
  • できる限り、一日の生活リズムを一定にする(食事・外出・入浴・就寝などの時間を一定に)
  • もし変化が避けられない場合は、変化の前に知らせておく(例:「今日はママじゃなくておばあちゃんが園に迎えにくるからね」)
  • 変化を嫌がってかんしゃくを起こす場合、子供がその中で選ぶ機会を作る(例:「今日はおばあちゃんが園に迎えに行かなきゃいけないけど、その後公園によるか、図書館によるか選んでいいよ」)

などです。

 

 

感覚の敏感期(Hands-on Sensations)

 

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 感覚の敏感期は生まれたとき、聴覚などは生まれる前から敏感期であると言われています。

人間には様々な感覚がそなわっており、昔は「五感」と言われていましたが、今では最低8つ、「八感」あると言われています。

基本的な視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚に加え、

  • Vestibular/Movement (体の向きと動き)
  • Proprioceptive(体各部の連携)
  • Introception(体内部の感覚ー空腹や尿意など)

などがあります。

 感覚の敏感期にいる子供はさまざまな感覚を使って自分の環境を知ろうとします。 感覚刺激を求めるので色んな物を触りたがったり、口に入れて感触を確かめたり、色んな場所を見たがったり。

 

この時期に親ができることは、

  • 色んな感覚刺激を与え、経験をさせる
  • 好奇心からの行動を叱らず、他の感覚行動に導く
  • 自然の中で時間を過ごす

などです。

 

 

運動の敏感期(Movement)

 

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 運動の敏感期は生まれたときから始まります。新生児期から赤ちゃんは自分のできる精一杯の力で頭と手を動かし、お母さんのおっぱいを探します。1-2か月でうつ伏せ練習で首を持ち上げて見せ、4-5か月には首が安定し、5-6か月くらいで寝返りをし、座るようになり、やがてずりばいやハイハイをし、だんだん立ったり歩くようになったりします。

生まれてから1年間の赤ちゃんの運動能力の発達はものすごいものがあります。

運動には大きく分けて「粗大運動(Gross Motor)」と「微細運動(Fine Motor)」がありますが、このどちらの運動能力も敏感期には著しく成長します。

 

 この時期に親ができることは、

  • 今の子供が取り組んでいる運動を十分させてあげられる環境を作る
  • 子供の動きをできるだけ制限しない
  • 今の子供が取り組んでいる運動を練習できるおもちゃなどを与える

などです。

 

 

 小さい物への興味の敏感期(Small Objects)

 

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 子供って小さいもの好きですよね。昆虫だったり、小石だったり、ホコリや糸くずだったり。1歳頃から始まると言われているこの敏感期、娘は7か月くらいで始まりました。

カーペットから飛び出ている糸をずっと引っぱっていたり、マットについてるタグをずっといじっていたり、夫のパンツの紐を引き出したり😅

この敏感期があるのは子供の指先の微細運動能力を助けるためだと言われています。

 

  この時期に親ができることは、

  • 小さいものを触る機会を与える(誤飲に注意!)
  • 危険がない限り、興味のあるものを見たり触ったりするのを叱ったり邪魔したりしない

などです。

 

 

感情のコントロールの敏感期(Emotional Control)

 

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感情のコントロールは 0歳から始まり、2.5から3歳くらいまで続くと言われています。

生まれたての赤ちゃんは最初は上手に感情がコントロールできません。不快感を感じる→泣くというプロセスしか存在しません。

成長するにしたがって子供はお母さん(または他の養育者)とコミュニケーションを取る中で不快感とそれに伴う不安を解消していきます。

安心できる声だったり、匂いだったり、抱っこのぬくもりだったり、ポンポンしてくれる手だったり。

そういったものを安心と結び付け不安を解消していきながら、子供は外の世界を冒険していくのです。

 

この時期に親ができることは、

  • 赤ちゃんの要求に応える
  • 子供と頻繁にコミュニケーションをとる
  • 赤ちゃんが安心できる手段や手法をさぐる
  • 自分が落ち着いて子供に接する

などです。

 

この敏感期にたくさんの安心と信頼を構築してあげることが、落ち着いて感情の安定した子の成長へとつながります。

 

 

 敏感期を逃してしまったら?

いろいろある敏感期の代表的なものをみてきました。

 

敏感期は特定の年齢で現れることが多い、と書きましたが、では敏感期を逃してしまったらどうしたらいいのでしょうか?

もうそのスキルを習得できないのか? というと、そんなことはありません。

例えば、我が子にバイリンガル教育をしたいけれど、もう6歳を過ぎてしまってからでは第2言語の習得は不可能なのか? というと、そんなことはありませんよね。

ただ、敏感期を最大限に活用して子供が興味があることを思い切りさせてあげたり学ばせたりすることに比べて、後からの習得は時間がかかったり大変になったりするかもしれません。

結論としては、後からでも習得することは可能だけれども敏感期の間に習得するのが一番効率がいい、と言えると思います。

 

 

 以上、モンテッソーリの敏感期をみてきました。

私も完璧とはほど遠いですが、敏感期を参考にしてなるべくいろんな面での成長をサポートしてあげたいです。

・・・ということで、トイレで用を足しているときに高速ハイハイの娘にドアを開けられ頭から突っ込んで来られたのが今日のハイライトです😂